幽霊の正体見たり枯れ尾花

私は病気が発覚するまでは
一人暮らしをしていた。

一人暮らしは私にはストレスだった。
ずっとひとりで、かといって友だちもいない。

ホワイトノイズの機械を買って置いている。
部屋ではいつもそのサウンドが鳴っている。

今は実家で、隣家に隠居の老夫婦が居る。
いつもいる人間の気配を消すために買った。

私は人の気配が苦手だ。
人の生活音が私への嫌がらせのような気が
陽性症状が出ていた頃は毎日していた。

そして、
その当てつけに物にあたったり
器物破損して叫んだりしていた。

私の場合は薬で妄想や
人の視線が気になるのは抑えられている。

抑えられているが、なんだかそわそわする。
寝ていないとそわそわしてしかたがない。

それも最近では睡眠障害で夜も眠れない。

「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とは
恐れているものも、実体は何でもない
平凡なものだということのたとえという。

私は幽霊とは自分の心の底にある恐怖心
のことだと考えるが、幽霊以上に
恐ろしいのは人の陰口だ。